バレー、サーブ・スパイク時の肩の痛み

バレーボールによる肩の痛みでは、肩関節の前方変位や上方変位が起こり、関節の安定性が低下していることが多く見られます。
整骨院では、まず肩関節・肩甲骨のアライメント（正しい位置関係）を整える施術が中心です。
関節モビリゼーションや手技によって、上腕骨頭の位置を関節窩の中央に戻し、可動域を改善します。

肩甲骨の動きを調整することで、肩甲上腕リズム（肩甲骨と腕の動きの割合）を正常化させます。
肩甲骨の回旋や後傾、挙上が正しく行えるようになると、肩関節にかかる負担が軽減され、スパイクやサーブ時の痛みも和らぎます。

さらに、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋など、ローテーターカフの柔軟性と筋力を回復させる施術を行い、肩関節の安定性を高めます。

肩の動きを支える基盤として、胸椎の柔軟性とコントロールが非常に重要です。
胸椎が硬くなっていたり、コントロールが不十分だと、肩甲骨の動きが制限され、肩関節に過剰な負担がかかります。
整骨院では胸椎のモビリゼーションやストレッチを行い、胸椎の可動性と動きの制御を改善することで、肩・肩甲骨の連動をスムーズにします。

下肢から肩への力伝達も考慮し、股関節伸展（足が後ろに行く動作）の硬さを改善するストレッチや運動療法も併用します。
さらに、体幹の安定性を高めるため、腹筋の筋力と使い方を評価し、スパイクやサーブの際に正しく力を伝えられるよう運動療法を組み込みます。

肩の痛みには運動療法も大切です。
肩・肩甲骨・胸椎・体幹・股関節の連動を意識した筋力トレーニングや可動域改善運動を行い、痛みの再発を防ぎながらスポーツ動作の改善を図ります。
また、フォーム改善指導と組み合わせることで、肩に負担が集中しない理想的な動作パターンを身につけられます。

筋肉や関節周囲の硬さをほぐすために、ストレッチや筋膜リリースも併用し、痛みが強い場合はテーピングや物理療法（超音波・アイシング）を使用します。

当院では、肩の痛みを一時的に抑えるだけでなく、胸椎のコントロールを含む体幹・下肢連動を整え、運動療法で再発予防とスポーツ動作改善を図ることを目的としています。
肩関節の安定性が向上し、慢性化リスクの軽減や競技復帰への最短ルートにつながります。

目標は正しい動作が行えるようになり受傷前より高いパフォーマンスを発揮できるようになることです！