交通事故によるケガ

交通事故によるケガは日常生活では起きえないケガですので部位やその程度も通常のケガとは異なります。

 

長期間に渡って症状が残存することも少なくありません。３～６か月に及ぶこともあります。　

 

また交通事故のケガに多い”むちうち”は２～３日経ってから症状が出ることも珍しくありません。

 

受傷直後から適切な治療を行わなければ、長引いたり後々症状を悪化させたりと言う事もあり得ます。

 

交通事故は身体的に思いのほか大きな衝撃を受けていると言えます。ですから本人の想像の域を超えてしまっているといっても過言ではなく、骨や筋、腱、神経などがとても深く傷ついてしまって痛みなどの症状が強く出てしまう事も多々あります。

 

交通事故によるケガは身体の外側、表面だけに起こるわけではありません。

 

直後は特別自覚症状はなく問題を感じなかったとしても、外から見えないところに大きなダメージを追っている可能性も否定できません。

 

また”ぶつけられた”という負の感情から、ケガによって発生する就業などへの不都合、不具合や普段できている動作に融通が利かなくなる不自由さが強いストレスになったりします。

 

さらに事故にまつわる加害者との関係をはじめ自動車保険、警察や職場とのやり取りといった通常ではない対応を強いられるのもストレスになり得ます。

 

加えて状況如何ではけがの程度が軽くても、PTSDやパニック障害など心の病を発症したり”不定愁訴”といって検査などでは特別異常がみられないのに現れる体の不調が起きている場合もあります。

 

交通事故によるケガでは骨折や出血のように目に見えるケガ以外にも、首や背中や腰の痛み・可動域制限・筋緊張・頭痛・手足のしびれ・だるさ・めまい・耳鳴り・吐き気・力が入らない・胃腸の働きの低下・食欲がわかないなど全身や精神的症状が現れることがあります。

 

交通事故発生の最多は追突や衝突によるものなので、

それに付随して「むちうち損傷」を訴えるケースが非常に多いです。

 

「むちうち損傷」は正式には「頚椎（頸部）捻挫」

「外傷性頸部症候群」などと言ったりします。

 

追突・衝突の際首が鞭を打ったようにしなることから俗にそう呼びます。

 

「むちうち」は事故直後には痛みや不調が出にくい特徴があります。

 

頸部捻挫は首の捻挫を指し、首周りの痛みや可動域制限が出ます。

 

頸部捻挫に端を発して頭痛・肩こり・めまい・痺れ・眠れない・寝付けない・うつといった全身症状が現れると外傷性頸部症候群と言います。

 

いずれにせよ骨折や脱臼ではないためレントゲンでの異常は見られません。

 

初期は安静を図りますが、落ち着いてきたら温めたりマッサージを加えたりで筋緊張の緩和をしながら、少しずつ動かし可動域の改善を目指します。

 

もちろん無理に動かすのはいけませんが安静にしすぎない方が予後が良いです。

 

 

〈整形外科と接骨院・整骨院の違い〉

整形外科は医師、接骨院・整骨院には柔道整復師という全く異なった資格によるものです。

整形外科は医師なのですから検査・処置・薬の処方・治療・OPE・リハビリといった医療行為全般を行います。

接骨院・整骨院は医師ではなく柔道整復師なので、医療行為ではなく施術を行います。

具体的には、マッサージ・温熱・電気療法などが該当します。

カイロプラクティック、整体、骨盤矯正、気功などは資格は不要ですべて自費

後遺症に対する診断書の作成も医師のみが行えるものです。

”後に遺る（のこる）”なのですから、最初の状態が判かっていなければ医師も後遺障害の診断書は作成できません。

事故直後は軽んじたりせず出来るだけ早く最初に整形外科を受診しましょう。