ギックリ腰は、
筋・筋膜(筋肉やその膜)、
椎間板、
椎間関節、
仙腸関節
と大きく4つに分けられます。
〈筋・筋膜〉
脊柱起立筋、腰方形筋、多裂筋、大腰筋などで多発します。
脊柱起立筋は広背筋の下、
その下外側に腰方形筋、
更にその下内側に多裂筋、
その奥に大腰筋があります。
ギックリ腰の原因となりやすい筋肉はどれも深いところにあります。
マッサージや指圧では届きにくいことが多いです。
鍼灸治療では、それらを直接刺激していきます。
ツボでいうと「腎兪」「大腸兪」「志室」と呼ばれるポイントになります。
また、膝裏にある「委中」
足の甲にある「太衝」
膝の外側にある「陽陵泉」
が遠隔治療(患部から離れたポイントを使う治療)として使われます。
〈椎間板〉
ひどいときはしびれの原因となるヘルニアに繋がる恐れがあります。
基本的に椎間板のみの痛みは、L2(腰椎2番)くらいまでの上位腰椎(腰の高い位置)までのことが多いです。
これもまた深い部位なので、マッサージや指圧での直接のアプローチは難しく、鍼灸治療が効果的になってきます。
椎間板周囲の循環を改善し治癒を早めます。
〈椎間関節〉
ピンポイントの痛みが特徴でまれに臀部に放散痛(患部から広がる痛み)が出ます。
これも筋肉の下に位置するのでマッサージや指圧での直接的なアプローチは難しいです。
鍼灸治療では周囲の循環を改善して炎症物質を流し痛みを緩和していきます。
〈仙腸関節〉
腰部というより臀部の痛みが特徴です。
臀部の筋肉は分厚いので関節に直接的なアプローチをかけるには鍼はとても有効です。
また、梨状筋と呼ばれる筋肉が仙腸関節の仙骨に付着していて、梨状筋の柔軟性の低下も仙腸関節に影響を及ぼします。
その梨状筋は大殿筋の下にある為鍼でのアプローチが望ましいです。
ツボでいうと「環跳」と呼ばれるポイントです。